千葉セクション問題

2019年6月に本協議会より日本の各ジオパークの関係者に宛てた文書

千葉セクション問題

本年5月に行われたJGN総会において「チバニアン」についての質問があったと伺っています。また、JGN会員の中には「チバニアン」が話題になっていることで一般市民の皆さんが地質に親しみを持つ良い機会だという意見があることも聞いています。

しかし、古関東深海盆ジオパーク推進協議会(以下、本協議会という。)は「千葉セクション」のGSSP申請には科学倫理違反の問題があり、申請を取り下げるべきだと主張しています。

マスコミ等のほとんどの報道では、千葉セクションのGSSP申請(「チバニアン」)について、「科学的」な事項について本協議会が疑義を唱え、提案者チームが「科学的」には問題がないとの証明を得ていると伝えています。こうしたマスコミの報道は間違いであると同時に、こうした取り扱い方により、意図的に問題をすり替えていると考えられます。

本協議会は、

❶ 申請に至る一連の過程で2015年8月に開催された、INQUA(国際第四紀学連合)主催
での国際現地討論会において、ねつ造・改ざんによる古地磁気データの表示がおこなわれるという許されない科学倫理違反行為が有ったこと
❷ その問題についての適切な対応(反省、謝罪、教訓の汲み取り、再発防止策の検討など)がなされないままであること

を指摘しています。そのことについて、しかるべき対応が取られていない今の状態では、千葉セクションのGSSP申請は取り下げることが最善の道であると主張しています。

「科学倫理」の問題を「科学上」の問題にすり替えて取り扱う行為は、科学倫理の問題があると指摘している本協議会の本質的な問題の指摘を覆い隠すものと考えています。

添付の資料をご覧き、貴協議会においても、この問題についての科学倫理違反行為について議論を深めていただけたら幸いです。こうした科学倫理違反行為の再発防止策についてもJGNの中でも積極的な議論が交わされることを期待いたします。